日産は、昨年末にホンダとの経営統合に向けて基本合意書を締結しました。日産の営業利益は前年比90%まで減少し、深刻な経営状況となっています。
主因は米国市場での販売不振・中国市場でのEV戦略の失敗…。
電気自動車(EV)の先駆者として市場を切り開いてきた日産ですが、ハイブリッド車(HV)が売れ行き好調な米国で、何故、日産は日本と同様にHVを販売し、リスクヘッジしなかったのか?
多くの経済アナリストやコメンテイターが、この状況を「人災=経営の失敗」と言っています。
自動車業界の動向は、非常に不透明でいろいろな混乱が起きていたものの、基本的には「経営戦略の失敗」であり、「マネジメントに問題があった」、と言わざるを得ない状況です。
近年、米国では、金利と物価が上昇する中で、EVは価格の高さと充電設備の不足がネックとなり、結局のところ、需要が急増したのはHVであったのが、日産にとっては誤算となりました。日産の内田社長は昨年11月の決算会見で、
「HV需要の上昇がこれほど長続きすると思っておらず、戦略変更の必要はないと考えていた」
と語ったのです。事業環境の認識が甘く、マーケットとズレた戦略を進めたわけです。
日産のニュースを、皆さんはどう感じましたか?
私は、類似の状況に置かれているのが、まさしく薬局業界だと思うのです。政策は医薬分業から地域包括ケアへと変わり、外来患者数は2025年にピークアウトする事業環境です。成長期から成熟期の移行真っ只中である「変革期」と言えます。ですから「日産のケースは対岸の火事ではない」という事を、肝に銘じて薬局経営をしていく必要があると思います。
具体的には、
「点分業と面分業のハイブリット方式へ移行する」
事です。これを実現する為には、現状の視点(薬局都合からの視点)ではなく、二次医療圏内からの視点(地域・患者からの視点)で、店舗の運営方針を描いていく必要があるわけです。換言しますと、今こそ薬局の「パラダイムシフト=視点の転換」が求められます。
経営失敗の一番多い要因は、「過去の成功体験に拘り続けることで、変化している既存市場に対応ができなくなる」事だと言われています。
昨年末に実施したウェビナー、
『~累計受講者1,000名超の薬局長研修から見える実態~面分業・在宅獲得が進まない原因と対策』
でご説明したように、
『点分業で培った「前提」「焦点」「コミュニケーション」で面分業に取組もうとしている限り、面分業推進は出来ない』
のです。
「変革期」である薬局業界こそ、日産の事例を教訓として、ズレのない環境認識で薬局運営を行っていく為の備え(薬局長以上のリーダーシップ開発)が必要です。
備えのご相談の際は、弊社へお声掛け下さい。
~『変革期のリーダーシップ開発プログラム』~
プログラム詳細は弊社HP
https://ptc.co.jp/pharmacist/movie/index.html