日本医療機能評価機構は、この4月に共有するべき『薬局ヒヤリ・ハット事例』を公表しました。
具体的事例としては、
・服薬相談の際に併用不可のOTC薬を「併用は問題ない」と回答してしまった事例
・小児患者に対しての薬の過量投与で、小児が緊急入院した事例
などです。また、昨年末に処方箋なしの患者に薬を販売していた沼津市の薬局が行政処分をうけたことは、記憶に新しい出来事です。
「病院が休みの日など、辛そうな患者さんの様子を見てつい薬を販売してしまった」
との話だそうですが、決してあってはならない法令違反事例です。ご承知の通り、2021年8月、薬局事業において、「薬局開設者等のガバナンスの強化」が義務付けられました。薬局経営者の皆様にとっては、法令遵守体制の整備に向けて、新しい組織体制構築に慌ただしい1年であったと存じます。
日本保険薬局協会が実施した19社の企業アンケートをもとにまとめた『コンプライアンス実践事例集』に、様々な取組み内容が報告されています。ほとんどの企業では、経営トップ主導でコンプライアンスに関する指針を明文化し、コンプライアンス規定を作成したり、全社員にハンドブックを配布したりしています。
また、調剤過誤、調剤インシデントについては、より迅速に経営トップに共有され原因分析できるよう、社内イントラネットを活用したり、専門委員会を設置したり、定期的にヒヤリ・ハットミーティングを実施する企業など、各社各様に力を入れている状況です。
冊子を読んでみて、各社、体制構築(ハード面)の整備はとても具体的な取り組み事例が多く参考になることが多いと感じました。ソフト面(理念の浸透、コンプライアンスに対する意識の高い企業風土醸成)は、経営トップからの定期的な社員への発信、社員研修の実施の事例が複数社ありました。
弊社かかりつけ薬剤師育成プログラムの「管理薬剤師の実務」研修では、法令遵守における管理薬剤師の責務について取り上げています。法令遵守の企業風土を醸成する為には、管理薬剤師業務の関連法規を再確認する事を通して、管理薬剤師の方々の意識付けが重要となります。
また、弊社ホームページのウェビナー動画「5.政策動向への対応」(https://www.ptc.co.jp/pharmacist/movie/index.html)に、法令遵守に関する動画(1本目:2つの法令違反事例 2本目:薬局の法令遵守の取り組み事例)を掲載しております。併せてご視聴頂ければ幸いです。
「コンプライアンス社内規定やマニュアルも作ったけれど、社員への浸透をどのように進めたらよいのか?」
お悩みの薬局経営者の皆様には、是非とも弊社にお問い合わせ頂ければ幸いです。