服薬指導の際の専門用語

専門用語とは同じ業界の人同士であれば
具体的な伝わりやすい言葉ですが、患者様にとっては意味の分かりづらい言葉であることも多くあります。

弊社のかかりつけ薬剤師育成プログラム1年目研修にて取り上げているテーマ
「分かりやすいコミュニケーション」の中では「分かりやすい」話し方・書き方として下記の4つのポイントを取り上げています。

①抽象的な言葉ではなく具体的な言葉を使う
②定性的な表現ではなく定量的な表現を使う
③推論と事実を切り分けて伝える
④主語・目的語・述語を網羅して伝える

今回のブログでは
①抽象的な言葉ではなく具体的な言葉を使う
について、薬剤師の業務での事例をご紹介致します。

先日某雑誌にて
「薬剤師が服薬指導の際に専門用語を使うことで患者様の混乱・聞き間違いが起こりやすくなる。」
といった紙面を目にしました。

服薬指導の際、

「抽象的な言葉ではなく具体的な言葉を使う・具体的に説明する。」

ということは皆様普段から心がけられている事かと思います。
しかし、薬剤師の方々が無意識に抽象的な言葉と同じ「意図通りに伝わりにくい・伝わらない」
言葉を使われているシーンをよく伺います。その多くは上記致しました「専門用語」です。

専門用語は薬剤師同士、
または医療従事者同士であれば齟齬なく伝わる言葉かもしれません。

しかし、患者様へ伝えると・・

「聞き慣れない言葉」
「よくわからない言葉」

という印象を抱かれる患者様も多いことが考えられます。

例えば、薬剤師からの

「低血糖症状はおありですか?」

という質問に明確に答えられる患者様は多くありません。

「ふらつき、めまい、手足の震え、はありますか?」

このように用語が分からない場合にも伝わる言葉を用いることで患者様に分かりやすく伝えることができる可能性が高まります。

「具体的」という言葉を辞書で引くと、

「実際に形や内容を備え、はっきり知ることができるさま。」

と記載されています。専門用語は「実際に形や内容を備え」てはいるものの、
患者様から見ると「はっきり知ることができる」言葉では無いことは十分にありえます。

患者様目線で伝わる言葉を選び、使用することによって、
2年目研修「気持ちに寄り添うコミュニケーション」で取り上げている、
「人への関心・配慮」を満たすことができ、患者様との距離を縮める事にも繋がります。

研修の中で理論や理屈を勉強しても
「実際の現場で活かすにはどうすればいいのか?」というお声を耳にすることも少なくありません。
弊社の研修では現場での実践イメージを掴む為にコミュニケーションの理論・理屈を実際の薬局での事例に当てはめて提供しています。
学習内容が現場で実践されない、等のお悩みがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

かかりつけ薬剤師育成プログラムヒューマンスキル開発