2021年度の新入社員の傾向と対策

昨年は、新型コロナウイルスの影響により、多くの企業で新人研修が延期・中止となりました。

今年度は、新型コロナウイルスの影響はまだ続いていますが、昨年からの新たな様式(オンライン)での新入社員研修を、実施した企業が多いです。

弊社でも、一昨年同様に、複数の薬局・ドラッグストアの新人研修を担当させて頂きました。
今回は、研修を通じて感じた「今年度の新人薬剤師の傾向と対策」について書かせて頂きます。

結論からいいますと、例年に比べて

・学習した内容を次に活かそうという意識が高い
・一方で、行動までは伴わないことが多々ある

上記の傾向が伺えました。

具体的な事例として

弊社の研修では、多くの実習があります。
その際、実習の度に、受講者自身で「コミュニケーション上の留意点の設定」と「振り返り」を実施します。

今年度の実習においては、自身で振り返った内容や講師から伝えられた内容を引用し、コミュニケーション上の留意点の設定を行っている様子が伺えました。

しかしながら、設定した内容・学習した内容を、実践できない場面も多々見られました。

この背景には

・「新たな環境に適応する必要がある」という意識

「分からない状態では動けない」

という現在の新人・若手の傾向が前提にある様に見えました。

 

昨年から、新型コロナウイルス・緊急事態宣言等の大きな環境要因により、授業・就職活動・内定式・・・、様々な事が新様式に切り替わっています。

この環境変動を経験しながら、新たな環境へ適応する必然性が高まりました。

現在、薬局業界には、対人業務を要請する波が次々に押し寄せています。

・服薬後フォロー義務化
・0402通知
・薬局認定制度施工
・2020年度調剤改定

等が挙げられます。

この業界動向において、

「新たな環境に適応する必要がある」

という意識を持つことは大きな強みとなります。

 

一方で、「その意識に行動が伴っている」とはまだ言えず、受け入れ側は、指導方法を検討する必要があります。

ではどの様に指導していけば良いでしょうか。

「まずは行動に移して、失敗して学ぶことよ!」

といった前近代的な指導では今の新人の前提には合わず、行動変容は期待できません。

『分からない状態では動けない』

という新人傾向を指導の前提とする事が必要です。

具体的には

「目的や背景を伝える指示」を行い、新人・若手の主体性を引き出す

ことが重要です。

業務の指示だけではなく、その業務を行う「目的や背景」も合わせて伝え、行動の必然性を高めることです。

忙しい業務の中では、ついやってほしいことのみを伝える指示になりがちです。

意識的に「目的や背景」を伝えることが新人指導のポイントとなります。

ご参考に頂ければ幸いです。最後までお読み頂き有難うございました。