【かかりつけ薬剤師育成プログラム便り第1号】「患者さんの気持ちに寄り添う秘訣~興味・関心の限界を超える~」

弊社「かかりつけ薬剤師育成プログラム」が、今年からオンライン公開講座としても受講できるようになりました。次回2月18日(土)14時からは「気持ちに寄り添うコミュニケーション研修」(案内ページ:https://www.ptc.co.jp/pharmacist/seminar-humanskill-2.html?kind=1)の開催を予定しております。講座内容の一部を「かかりつけ薬剤師育成プログラム便り」としてご案内させていただきます。ご検討にお役立て頂けたら幸いです。

「お父さん、息子さんにはお風呂あがった後にシッカリと声掛けてください」

点鼻薬を息子に投薬してもらった際に、薬剤師さんより受けたメッセージです。投薬台に呼ばれた際にその薬剤師さんから受けた最初の質問は、

「前回お出しした点鼻薬はまだ残っていますか?」

でした。適切に答える事のできない私は、待合室で任天堂スイッチに興じる中学生の息子に

「点鼻まだあるの?」

と尋ね、目線合わせずに、

「まだあるよ」

と息子が返事をしました。質問いただいた薬剤師さんに

「みたいです」

と伝えたところ、冒頭のメッセージ「お父さん、~シッカリ声を掛けて下さい」を受けたわけです。そのメッセージはその通り「正論」でしょう。推測ですが、少し受診間隔が空いてしまっている我々に対しての示唆であったと思います。

ただ、例えば枕詞として「大変かと思うのですが」といった私の状況や気持ちに寄り添う一言があったらなぁ・・とも感じました。お恥ずかしながらプチ反抗期の息子であり、言っても聴かない・・ところもあったわけです。

慌ただしい日常の中で、効率的に意思疎通を図る為に、言葉の表面的な部分を中心にコミュニケーションを取る事は少なくありません。その際、言葉(論理)に対して興味・関心を寄せている事もあり、相手の気持ち(心理)に寄り添う事は簡単ではありません。しかし、前述の様に、目の前の言葉もさることながら、言葉以外,つまり目の前でキャッチアップできる非言語領域(先程事例で申し上げれば『目線合わせずに「まだあるよ」』)にも興味・関心を寄せる事で、患者(やその家族)の気持ち(心理)にも寄り添いつつ、薬剤師としての責務(コンプライアンス向上)を果たすコミュニケーションが可能になるのではないでしょうか。

「気持ちに寄り添うコミュニケーション研修」では、相手の気持ちに配慮して話し、聴く事で、話し手・聴き手双方が「気分良いな・・」と言える状態をゴールに据え、そのゴールに向けた数々の実践ポイントをご提示させて頂きます。