先日某雑誌にて薬局での困った患者についての特集を目にしました。
「患者トラブル」の特集は多くの雑誌・Webサイトで組まれており、
薬局で働いている方々の大きな悩みとなっています。
冒頭の特集記事では、
・実際にあったトラブル事例
・トラブル事例への対応策
が取り上げられていましたが、対人業務におけるトラブルの種類の多さを再認識しました。
実際の体験を踏まえた具体的な対策が提示されていましたが、当然ながら薬局現場で発生し得る多種多様なトラブルの全てを網羅しているわけではありません。
また、掲載されているトラブル事例と似たケースが発生しても、当事者(患者)が違えばその背景・理由は異なる事が多いのです。
この様に対人業務の場合、過去のトラブルで上手くいった対策が今後発生するトラブルに対して万能に機能するとは限りません。
では、どうすべきか?
各トラブルへの個別対策を学習すると共に、その背景にある発生メカニズムを紐解く事で、他トラブルへの応用が期待できます。
因みに弊社では、心理学や行動科学を活用してトラブル発生のメカニズムを解明すると共に、再発防止策を研修内でお伝えしています。
その一例をご紹介します。
「コミュニケーションの作用機序」という考え方があります。
コミュニケーションは
「(発信者の)意図」 → 「(発信者の)言動・行動」 → 「(受信者へ与える)影響」
という3つの要素が数珠の様に繋がり構成されています。
コミュニケーションが上手い方は「意図」と「影響」の差があまり生まれません。
一方、コミュニケーションが上手くいかない場合は、
「私は悪気(意図)は無かったのに、患者さんへの心象が悪く(影響)、怒らせてしまった・・」
という様に、差が生まれます。
(詳細はサンプルテキスト「心理的コミュニケーション力啓発研修」をご参照下さい。)
治療経緯を把握せず一般的基準から検査値の良し悪しについて言及し、
患者さんを怒らせてしまうケースは正にこれにあたります。患者毎に治療経緯は異なりますので、
常に患者の状況に合わせた言動・行動は何か?を探求しつつ、対応する事が求められます。
対人業務を中心とした店舗運営においては、今まで以上に患者とのトラブルに向き合っていかなければなりません。
本質的な再発防止策を考える際に、トラブル発生のメカニズムに焦点を置いてみては如何でしょうか。