先日リードエグジビジョンジャパン様主催の
「医療と介護の総合展 東京」
に行ってきました。今後の医療と介護の在り方を垣間見ることの出来る貴重な機会でした。
そこで今回は会場で感じた事について書かせて頂きます。
今回の展示会は
①介護&看護EXPO
②地域包括ケアEXPO
③医療機器・設備EXPO
④病院運営支援EXPO
⑤医療ITEXPO
の5展で構成されてました。
まず会場全体を見ると、最も多い物は「介護」に関連した新商品や人材採用・IT活用のブースでした。
そこでは、今後迎える超高齢社会での介護業界の変容と拡大、そしてそれに伴う人材不足に伴う問題に
如何に対応するかがメインテーマの様に感じました。
病院等医療機関と介護施設の連携を補助するシステム等も散見され、施設内のみならず施設間、
多職種での連携はより一層重視されていくことが想像されました。
一方、会場を一周した時に感じ得た事として、
「薬局」「薬剤師」
といった文字がほとんど見られませんでした。
「介護&看護」や「医療機器・設備」「病院運営支援」のエリアに見られないのは勿論の事、
「地域包括ケア」のエリアにも「薬局」「薬剤師」を対象としたブースはほぼありませんでした。
(上述した施設間の連携を補助するシステムの多くにも薬局は含まれていませんでした。)
今回の展示会のみで語るには不適切な事かもしれませんが、
「医療業界全体で見た時、地域包括ケアの中に薬局・薬剤師は含まれていない」
という印象を強く受けました。
展示会の中で某出展社の方とお話させて頂く機会があり、
「薬局」「薬剤師」の文字がほとんど無いことについて下記の様な内容をお聴きしました。
「薬局はほとんど無いと思いますよ。地域包括ケアに当初含まれていなかった事も理由としては
あると思います、薬剤師がそれだけ軽視されているということですから。
私達も会員制での講習会を行っていますが、薬局の薬剤師の会員は0です。
狭間先生も仰っていましたが、薬剤師の方はインテリジェンスは高いが、
向上心が少なく、認定資格等に自腹を切ることは少ない。
介護・看護の人の方が認定資格取る事には積極的ですね。」
また、今後の報酬改定についても下記のようなお話を伺いました。
「調剤報酬の改定、次回はかなり危ないと思いますよ。
前回は大型店・門前が狙い撃ちであったことと、
薬価改定で財源を確保してのプラス改定でしたが、次回はいよいよ財源がありませんから・・
削るのはもう薬局しかありません。
これからは地域密着型で顔が見えるような薬局、
病院行く前に薬局行って相談するくらいになる必要があります。
それも根本はコミュニケーションですよ。」
上記の様に伺ったお話や会場の状況も含め、
地域包括ケアへ薬局が参加していく事への認知度は低いと感じました。
しかし、薬局ビジョンや報酬改定内容に示される通り、今後薬局が地域包括ケアへ積極的に
参加する必要があることは事実です。
地域包括ケア・多職種連携の中で薬剤師としての役割を示す為には
コミュニケーションは必要不可欠な能力であると弊社では考えています。
地域包括ケア・多職種連携でのコミュニケーションについては
ブログ「かかりつけ薬剤師育成プログラム~4年目研修~」
でも触れておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。