【保険薬局支援事業便り第44号】「在宅医療を支える「顔の見える関係」と薬剤管理による在宅療養継続への可能性」

弊社担当者は、薬局の立場から地域医療を担う一員として、地域医療に貢献し、最終的には利用者様、患者様、そしてそのご家族のお役に立ちたいという思いで、他職種の方々との連携構築(顔の見える関係づくり)に取り組んでいます。

これまで活動してきた中で、改めて実感しているのは 「頻回訪問による顔の見える関係づくり」こそが、在宅支援の質を左右する土台であるということです。利用者様は一人ひとり背景も異なり、関わる看護師、ケアマネジャー、医師など多職種もまた多様です。そのため、関わる他職種の方との信頼関係の有無は、情報の質、量とも大きく影響し、結果として支援ニーズの顕在化に直結します。

先日、精神疾患を専門とする訪問看護師様からお話を伺う機会がありました。精神疾患を抱える在宅の利用者様は、服薬コンプライアンスが低下しやすいという特徴があるそうです。例えば、自己判断で薬の量を増減させたり、副作用を恐れて突然中止してしまったり、そのまま症状が悪化してしまうケースは珍しくなく、その裏側には、薬や病気に対する不安、コミュニケーションの難しさ、日常生活の中での管理能力の課題など、多くの要因が絡み合っているのではないかとの事です。疾患も統合失調症、双極性障害、うつ病など幅広く、年齢も若年層から高齢者まで様々で入院に至るケースも少なくないとの事でした。

また、別の看護師様からは「認知症の方では大量の残薬が見つかるのは日常茶飯事」というお話も伺いました。あるあるの話だと思います。服薬管理がうまくいかないと、当然ながら症状が再燃し、在宅生活が維持できなくなり、入院に至るケースもでてきます。

ここで気になったのは、これらの“入院に至ったケース”に共通して、薬剤師が介入していなかったということです。もし薬剤師が早期から関わり、服薬状況を確認し、副作用の相談に乗り、残薬を整理し、医師や看護師、ケアマネジャーの方々と情報を共有していたなら、症状悪化を防ぎ、在宅生活を維持できた可能性は十分にあったのではないかと思います。

釈迦に説法ではありますが、薬は“両刃の剣”であり、適切に使えば生活を支えますが、誤れば大きなリスクにつながります。看護師には看護の、ケアマネジャーには生活全体のコーディネートの専門性があります。同じように、薬剤師には薬の専門性があります。だからこそ、薬剤師が在宅の現場にしっかり関わることで、他職種が本来の役割に専念でき、支援全体の質を大きく高める事を他職種の方々にもっともっと理解して頂く活動は重要であると考えます。

私はこれからも、他職種の方へ頻回訪問や面談を通して「顔の見える関係性」を丁寧に築きながら、利用者様の生活を支え続けたいと考えています。薬剤管理が安定すれば、在宅療養は続けられる。そう信じて、今後も現場での役割を果たしていきたいと思います。

(田辺ファーマプロビジョン株式会社 営業担当)