医療事務研修とその成果【PTCスタッフ発信】

9月12日にタイトル「医療事務に秘めた可能性」をアップしましたが、
その中で医療事務員の「外見・態度・話し方・話の内容(対人関係の関所)」が患者さんの認知(店舗に対する見方)を形成する事をお伝えしました。

この認知が形成される瞬間は、

「真実の瞬間」

と呼ばれており、サービス業界では広く認知された言葉です。
因みに「真実の瞬間」は患者さんの来店から店を出るまでに1万回程度あると言われています。

一方、「真実の瞬間」を患者さんにとって好意的な瞬間にする為には、

「認知は真実」

という考え方を受け入れる必要があります。
スタッフが良かれと思っても取った態度や行動も、患者がどの様に受け止めたか?が優先されるという考え方です。
因みに、どの様に受け止めるか?の背景には患者さんの事前期待があります。

例えば・・・

「医療事務員には温かく接してもらいたい」

「医療事務員には分かりやすく説明して欲しい」

という欲求は事前期待と言えます。これに適う対応だと感じてもらえれば、
好意的な受け止め方に変わっていき、医療事務員への信頼感へと昇華していくのです。

今年に入り、医療事務員を対象に「真実の瞬間」「認知は真実」をコンセプトに接遇研修を実施する事が増えてきました。

今回のブログでは、上記の接遇研修参加者に対して実際に患者さんより頂いた声を紹介させて頂きます。(来店患者へのアンケートにより声の収集を行いました。)

冒頭で触れました対人関係の関所である

・外見
・態度
・話し方
・話の内容

の4つに分けてご紹介させて頂きます。

1.外見

・事務員さんの身だしなみには清潔感があり、安心してお任せできると思いました。

・服装、頭髪について華美ではなくシンプルにまとめられており、好印象でした。

・髪の長い方は一つにまとめ、短い方も耳にかけていて、すっきりして清潔感がありました。

「服装・頭髪は華美ではなくシンプルにすべき」という医療事務員への見方(認知)に適う外見が、「清潔感がある」というコメントを引き出しています。

 

2.態度

・どの事務員さんも笑顔で患者さんへの対応が出来ていてとても良い印象でした。保険薬局といえば殺伐とした雰囲気を想像してしまうのですが、親切で柔和な笑顔で癒して頂きました。

・ハキハキしていて人当たりも柔らかく感じられ、相談しやすいような親しみを感じました。

・しゃがんでお客様の視線に合わせ見下す事のない態勢でゆっくり説明して頂いた為、気配りを感じました。

保険薬局に対して「殺伐な雰囲気」を想像(認知)する中、笑顔で人当りも柔らかく接した事が「相談しやすい様な親しみを感じた」というコメントを引き出しています。

 

3.話し方

・お年寄りのお客様の薬を席まで持ってこられ、その場でゆっくり丁寧に説明をしていました。

・問診表を渡す際に「お手数ですが」と言う言葉を添えて丁寧に渡して下さった為、リラックスする事が出来ました。

「丁寧に説明して欲しい」という期待(認知)に適う対応が「リラックスできた」というコメントを引き出しています。

 

4.話の内容

・どのような状況かどのくらい時間がかかりそうかなど、こちらが聞く前にしっかりと説明してくださり、薬の受け取りまでのイメージがしやすく良いと感じました。

・非常に丁寧な説明と提案の順番に間違いが無く、信頼できると感じました。

「分かりやすく説明して欲しい」という期待(認知)に適う説明が「信頼できる」というコメントを引き出しています。

 

繰り返しになりますが、各関所において患者さんの店舗や医療事務員に対する事前期待に適う対応が患者さんの好意的なコメントを引き出し、好意的な認知を生むのです。
9月のブログにて「AIに置き換わると思う職業は?」という調査で医療事務が一位であった・・事を取り上げましたが、上記の様な気持ち・考えを患者様に抱いていただく事はAIには難しい「対人業務」の一つだと思います。

医療事務に秘められた可能性を引き出す為の人材育成のご参考に頂ければ幸いです。

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