新型コロナ感染拡大の影響により、多くの業界にて業態や業務運営の在り方の見直しが迫られています。
弊社におきましても、打ち合わせは社内外共にほぼ100%オンラインで実施している状況です。
また、研修に関してもリアルからオンラインに切り替えて実施する事が増えていますが、その際に
「どのような準備をすれば良いでしょうか?」
「リアル研修時と同等の学習効果は得られるのでしょうか?」
というご質問を頂く事があります。
弊社では、オンライン研修において適性な学習効果を得る為には、
・研修準備
・研修運営
・研修後フォロー
の3つの視点で課題を整理する必要があると考えています。
既に多くのサイトで研修運営や準備について取り上げられているものの、実際にオンライン化を行う為には、各業態の実状に合わせたもう一歩踏み込んだ内容の検討が必要です。
そこで2回シリーズで、薬局の実状を踏まえた
・研修準備
・研修運営とその効果
の2点を取り上げたいと思います。
今回は研修準備、特に環境面の整備に焦点をあてます。
オンライン研修を準備するにあたり、整備すべき主要な対象は
①デバイス環境
②ネット環境
③受講環境
の3つです。一つずつ見ていきましょう。
①デバイス
弊社では
・1名1台のPC、もしくはタブレット
・各個人が使用するヘッドセット
をご準備頂く事を推奨しておりますが、
「受講人数分の端末を新たに用意するのはコストがかかりすぎる」
というお声もよくお伺います。
社員全員に個人用の端末(スマートフォン・タブレット・PC)を貸与されている場合、そちらを使用することができますが、多くの薬局では各個人に端末が貸与されていること自体が少ない様です。
一方、各店舗には電子薬歴の対応の為に、複数のデバイスが用意されているという話も伺います。
上述のデバイスの性能など一概に使用可能とは言えませんが、新たに端末を用意するのが難しい場合、店舗にあるデバイスが活用可能か確認頂く事も一つの手段ではないかと思います。
②ネット環境
可能であれば有線接続での参加、更に接続が切れてしまった際の代替回線をご準備頂く事を推奨しております。
もちろん無線接続でも受講可能ですが、その場合は機器本体からの距離や間取りなど、通信に与える影響(十分な速度、安定した接続が可能か?)等を事前にご確認頂く事をお勧め致します。
デザリング経由での参加も可能ですが、例えば普及が進んでいるZoomでは映像+音声での通話1時間あたり500MB~1GBの通信量があるそうです。
契約内容・参加人数にもよりますが、費用負担が大きく、安定性も有線・無線接続を下回りますのであまりお勧めはできません。
③受講環境
オンライン研修を受講される場所は、
・在宅
・店舗
の何れかだと思います。何れの場合も、
・外部の音が入りにくい
・メモが取りやすい
の2点にご留意頂く様にお願いしています。
薬局では上記2項目と併せて、
・通信環境
・デバイスの持ち出し可否
の兼ね合いから店舗で受講を頂くケースが殆どです。
店舗で受講頂く場合は、
・同じ部屋で複数名が受講する場合、お互いの声やデバイスからの音声が入らない様な環境設定
・店舗の他スタッフへのオンライン研修の周知
・患者様から受講者が見えない、聞こえない場所の確保
の3点にもご留意頂いております。
ここまで見て頂いた様に、リアル研修と比べ整備すべき環境項目が多いですが、オンライン研修に求められる環境整備は、適正な学習効果を得る為の一丁目一番地となります。
企業研修をオンライン化する事とは、研修企画・準備・運営・フォロー
全工程におけるニューノーマルへの転換を意味していると言っても過言ではないでしょう。
次回はリアル研修・オンライン研修の違いと学習成果について取り上げます。