多くのお客様よりオンライン上での研修・コンサルティングのご要望を頂き、8月以降毎週に渡り実施して参りました。
弊社でのオンライン研修はほぼZoomを使用しており、その中で共通して発生するトラブルが分かってきました。
今回はオンライン研修で発生するトラブルとその対策について取り上げます。
オンライン研修では対面形式に比べトラブルが多く、それらは受講者の
・デバイス
・回線
に起因する場合があり、事務局・講師が即時に原因を特定する事が難しい場合があります。
今までに発生したトラブルの多くは、
1.環境面でのトラブル(回線・デバイスに起因するトラブル)
2.運営面でのトラブル(運営・受講者の操作・設定に起因するトラブル)
の2つに分かれます。それぞれの代表的なトラブルと、
その際に実施した対策を紹介します。
1.環境面でのトラブル
①動作が不安定(音声が途切れる・映像が固まる)
これは発生頻度が高く原因が分かりづらいトラブルです。
電波の受信状況の不安定さが原因であることが多い為、場所を変える(例:窓際・ルーターの近く移動)事で改善が見られます。
デバイスの不調の場合、他アプリの終了や再起動する事で改善する場合もあります。
環境的に可能であればルーター自体の再起動も効果的です。
社内サーバーを使用されている場合、サーバーへの負荷が原因になっている可能性もあります。
この場合は改善が難しく、ビデオをオフにする、または講師側が画質を落とす、等の対策が必要になります。
②回線が切断されてしまう
こちらも良くあるトラブルです。
多くの場合、上記①の症状が前兆として見られます。
回線の不調が一時的であれば入室の手順を再度行う事で再接続が可能です。
不調が継続する、度々切断されてしまう場合、有線での接続や代替回線に切り替える事が改善策として挙げられますが、前提として事前に代替回線を準備しておく必要があります。
③ブレイクアウトルームへの振り分け漏れ/入室失敗
①②が起きた際に連鎖的に発生するトラブルです。
回線が不安定な場合や、振り分け後に再入室を行った参加者がブレイクアウトルームに入室できない場合があります。
振り分けられているが移動出来なかった参加者がいる場合、その参加者は画面下部からブレイクアウトの参加を押す事で、自分が振り分けられたルームに入室できます。
再入室によって振り分けがリセットされてしまっている場合、ホストがブレイクアウト一覧の最上部に表示されている未割り当ての参加者を再度振り分ける事で、入室できます。
待機室を有効にしておく事で一度切断された参加者の有無が分かり易くなります。
また、ブレイクアウト開始時にホストがメインセッションに取り残された人がいないかを確認する、ブレイクアウト中に再入室を行った参加者が出ないかを確認して都度対処することで発生したトラブルの影響を最小限にすることができます。
上記3つのトラブルはよく発生し完全な防止も難しいですが、回線の不安定さが原因の場合が多い為、事前にテスト通話等を行い受講場所の通信環境を確認する事で発生率を下げる事が出来ます。
2.運営面での代表的なトラブル
①音声が聞こえない/伝わらない
最も多いトラブルです。
音声が聞こえない状況ではZoomの音声出力先が異なっている事が多いです。
(例:イヤホンを着用しているが、音声の出力先がスピーカーになっている)
一方音声が伝わらない場合は上述の内容に加えスマートフォン・Ipadの場合、端末のマイクへのアクセス許可の設定が出来ていない場合があります。
この様に、設定のミスが原因で有ることも多いため、
・事前に設定の指示(マニュアルの展開等)を行う
・テスト通話を実施しその際に設定を確認する
事で予防できます。
②ブレイクアウトのオプション設定ミス
事前の設定が出来ていない事(設定忘れ)よりも、事前設定した内容が初期設定に戻ってしまう事が原因として多いトラブルです。
Zoomの仕様なのでしょうか、
ブレイクアウトのオプションを設定 → ブレイクアウトを開始
この手順の間にブレイクアウトの窓を閉じると、オプションが初期設定に戻ってしまう事があります。
一度でもオプション設定をした後にブレイクアウトを実施していれば、窓を閉じてもオプションは保持されているようです。
・ブレイクアウト開始直前にオプションが意図した設定になっているかを確認
・ブレイクアウトのオプション設定をした後に窓を閉じない
のいずれかを行う事で防ぐ事が出来ます。
これらの運営面のトラブルは、Zoomの仕様や実際の操作方法を事前に調査する事で、環境面のトラブルに比べトラブル防止が容易です。
今回のブログでは研修の場で発生した代表的なトラブルをご紹介しました。
冒頭で言及させて頂きましたが、事務局・講師が即時に原因を特定する事が難しいトラブルも多く、また受講者との物理的な距離が離れている為、事務局や講師がタイムリーに対応出来ない場合が出てきます。
以前のブログ「薬剤師向けオンライン研修の準備」にて、
「オンライン研修に求められる環境整備は、適正な学習効果を得る為の一丁目一番地」
とお伝えさせて頂きましが、事前の環境整備(通話テストやマニュアルの整備・操作の確認)の重要さを改めてお伝えしたいと思います。
今回も最後までお読み頂き有難うございました。
本ブログがオンライン研修の際のトラブル対策の一助となれば幸いです。
オンライン研修を企画される際はお気軽にお声掛け下さい。