前回ブログ「薬剤師向けオンライン研修の準備」に続き、今回のブログでは、
対面形式の研修(以下リアル研修)
オンライン研修
の「違い」と「学習成果」について取り上げます。
それではリアル・オンライン研修の「違い」からみていきましょう。
大きな違いがあるのは受講環境です。
受講場所が研修会場から職場や自宅へと移る事で、集団から一人での受講形態に変わります。
見渡せば数多な情報が入ってきた研修会場とは違い、オンラインでは画面からの情報に限られます。
つまりオンライン研修では、参加者・講師共に交換できる情報量が少なくなるのです。
この事を前提として、研修運営上で留意すべき事は
①緊張感・集中力を維持する
②受講者間の理解度のバラツキを抑制する
の2点です。
まず①について、一人でディスプレイを眺める受講者の姿を思い浮かべてみて下さい。リアル研修にある会場の雰囲気はそこにはありません。
会場では研修開始前後には多少なりとも張り詰めた雰囲気になり、受講者一人一人の意識が受講モードに切り替わるものです。
しかしそれは過去の事。講師はディスプレー越しに受講者の意識を受講モードに切り替えなければなりません。
また上手く切り替えが出来たとしても、講師からの情報発信が単調になる事でリアル研修以上に集中力が低下する可能性があります。
従ってオンライン研修では、受講者の緊張感・集中力を維持する為の工夫が必要なのです。
因みに弊社では、
・オリエンテーション
・実習の提示
の場面で緊張感・集中力維持の為に留意している事があります。
前者では、オンライン研修受講に必要な意識付けの目的で、オンライン研修のメリットや課題(制約条件)をお伝えした上で、受講に関するお願い事項を伝えます。
一方後者では、受講者が主体的に実習に取り組む様になる為に、実習のゴールを具体的(1.いつまでに、2.何を、3.どの様にする)にお伝えする様にしています。
次に②についてですが、「物理的距離は心理的距離と比例する」という考え方があります。
オンライン研修は他者(講師・他受講者)との物理的な距離がある為に、リアル研修と比べコミュニケーションのハードルは上がります。
例えばリアル研修では、分からない事があれば隣の受講者に話しかける事が出来ましたが、オンライン研修では難しいのです。
この為、受講者の理解度にバラツキが出やすくなります。
上記を踏まえ、弊社では、
・双方向的な講義
・理解度確認テスト
を行っています。
前者では講義の合間での受講者との対話、後者では4~5問程度のテストの解答・解説を通じて理解度のバラツキを抑制します。
続いてオンライン研修の「学習成果」をみていきましょう。
活用するツールにより目指す学習成果が変わってきます。
オンライン研修におけるツールは、
①動画・Eラーニング
②オンライン会議システムを活用したプログラム
の2つに大別されます。
①は知識習得
②は気づき(課題発見)や視野拡大
が目指す学習成果です。
弊社が提供するオンライン研修は②となりますが、実際の受講者の声をご紹介します。
「質問を適宜受付けて頂けたので、対面と遜色なく受講できました」
「研修前はオンラインでは意思疎通が図れないのではと心配しましたが、問題なかったです。特に不便に感じたこともなく、今後はオンラインでの研修が増えてくるのではないかと思います。」
「研修内容にもよりますが、講師と受講者、受講者間の定期的なコミュニケーション機会があれば、対面の研修と同じ成果があると感じています」
上記より、
・前回のブログ(オンライン研修の準備)
・上述の留意点を踏まえた研修運営
の2点を行う事により、リアル研修と遜色の無い学習成果になる事が分かりました。
一方受講者の声にある様に、研修内容によりオンラインでは対応困難なテーマがあるのは事実です。
目指す学習成果に基づきツールを選択する事が、オンライン研修を企画する際の一丁目一番地になります。
2回にわたりオンライン研修の準備・企画・運営についてご紹介して参りました。
今後の研修企画の参考に頂ければ幸いです。
薬剤師研修のオンライン化をお考えの際は、お気軽にお声掛け下さい。