【かかりつけ薬剤師育成プログラム便り第28号】「人的資本経営のススメ」

最近、『人的資本経営』の特集をよく目にします。

『人的資本経営』は欧州・欧米などの海外で注目され、国内でも企業価値を向上させる施策として推奨されています。(経産省が、「人材版伊藤レポート」(=人的資本経営に関する報告書)を発表)

『人的資本経営』とは、人材を資本としてとらえる経営戦略であり、従来の経営戦略とは「経営方針の方向性」が異なります。

従来の経営戦略では、長期的定着を前提とした人材の確保・管理を行っていましたが、『人的資本経営』は、人材の管理ではなく人材に投資して育てる経営戦略となります。

・従来の経営戦略→人材を、消費する「資源」として捉える
・人的資本経営→企業の財産になる「資本」として扱う

つまり資本を増やすための投資として、「教育・研修」「職場環境の改善」を実施しマネジメントすることが「人的資本経営」なのです。

薬局においても、これまでは薬学的知識などの専門性を高める教育・研修が多かったですが、ここ数年は薬剤師の「コミュニケーションスキルの向上」や薬局長クラスの「マネジメント力向上(リーダーシップ啓発)」に本腰を入れる企業もかなり増えました。薬剤師を「人材」ではなく「人財」として捉え、教育・研修を「経費」ではなく「投資」と考えます。

とはいえ、よく薬局経営者の本音としてお聞きするのが、

「薬局業界は薬剤師の流動化が激しい業界だから、投資したって無駄になるよね?」

というお声です。

確かに、仕事に慣れてやっと育った薬剤師が離職してしまうケースは少なくありません。しかしながら、人的資本経営の考え方で運営している薬局には、優秀な薬剤師が集まるよう思います。

というのも、薬剤師が離職する理由の多くが、「職場環境が合わない」「上司が嫌だ」…という理由だからです。

従業員をしっかりとマネジメントしながら店舗づくりができる優秀な薬局長のいる店舗は、離職率も低く店舗に活気があります。そしてそのような店舗は「地域住民から選ばれる薬局」として存在感を発揮しているケースが多いです。

変化の激しい薬局業界において、今一度「人的資本経営」の考え方で薬局経営を考えてみてはどうでしょうか?

今後の薬局経営の盤石な体制づくりの為に、薬局長やエリアマネージャークラスの学習機会を是非!

PTC『薬局長(薬局経営幹部)向けプログラム』

~『変革期のリーダーシップ開発プログラム』~
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