薬剤師向けオンライン研修のブレイクアウトルームの運用について

以前のブログにて、多くの薬局より、オンライン研修への切り替えのご要望を頂いている事について触れましたが、8月度以降、Zoomによるオンライン研修の実施が増えて参りました。

今回は弊社がこれまで実施した薬剤師向けオンライン研修の中で、グループワーク・ペアワークの際のブレイクアウトルームの運営の実際と弊社の考えについて書かせて頂きます。

ご存知の方が多いと思いますが、ブレイクアウト機能は対面研修で行うグループ単位での討議や実習をオンライン上で行う際に活用します。

その際の手順として、

①ブレイクアウトの開始・終了
②ブレイクアウトのメンバー振り分け
③ブレイクアウトのオプション設定

の3つがあります。各手順の詳細をご紹介します。

①ブレイクアウトの開始・終了

開始ボタンを押す事で受講者がブレイクアウトルームに移動し、
終了ボタンを押す事で受講者がメインセッションに戻ります。

②ブレイクアウト時の参加者の振り分け

対面研修であれば事前に班分けを行い、席順を指定することで研修開始時には参加者の振り分けが済んでいる訳ですが、オンライン研修では全員が入室後に振り分けを行う必要があります。

振り分けの手順は、事前割り当ての機能を使用する事で軽減できますが、店舗勤務の薬剤師の方にはメールアドレスを付与されているケースが少なく、Zoomアカウントを作成せずに参加するケースが多い為、ブレイクアウトの事前割り当て機能が使用できません。

また、例えば4名グループでの実習の後にペアワークなど、途中で人数が変わった場合は事前割り当てをする事はできません。

自動割り当ての機能もありますが、

・できるだけ他店舗の人とグループを作らせたい
・当日事務局が数名オブザーブする
(自動振り分けでは各グループに受講者と事務局が混在してしまう)

等の要望や環境要因によって、自動割り当てのみでの対応が難しい場合があります。

現在弊社では、

・自動割り当てで受講者グループ+事務局用グループを作成
・お客様のご要望に合わせて手動でグループメンバーを再編成

の手順で参加者の振り分けを行っています。

③ブレイクアウトのオプション設定

ブレイクアウトの際に下記4つのオプション設定が可能です。
(Zoomの文言をそのまま使用しています。)

・全参加者を自動で分科会室に移動
→ONにしています。
全員同時に実習をスタートするには同時に移動いただく事が望ましい為。

・参加者がいつでもメインセッションに戻ることができるようにします
→OFFにしています。
誤操作で戻ってしまう事の防止の為。

・分科会室は次の時間後に自動的に閉じます。(時間切れ時に自分に通知)
→OFFにしています。
各実習の間に時間を変更する事が難しい為。

・分科会室を閉じた後のカウントダウン
→OFFにしています。
ポップアップ形式で表示されてしまい画面が隠れてしまう為。
全体アナウンスを使用して残り時間をご案内します。

また、必ず発生する訳ではありませんが、上記以外にもブレイクアウトの際のトラブル対応も必要です。実際の事例として、ブレイクアウトセッション中に受講者が回線やデバイスのトラブルで一度接続が途切れてしまい、メインセッションに戻されてしまう。といった事象も発生しました。

上記①~③の手順+トラブル対応が必要となるブレイクアウトですが、ブレイクアウトの機能はホスト以外は操作できません。

少人数の受講者であれば講師がホストを兼ねる事に大きな問題はありませんが、大人数になると振り分けにかかる時間、トラブルの発生確率は上がり、講師一人での対応は難しくなります。

上記を踏まえ、弊社では下記2つのいずれかで対応をさせて頂いています。

代替案1.講師がホスト権限を持ちブレイクアウトを実施する。

この場合、ブレイクアウト実施を前提としたタイムスケジュールにする必要があります。
具体的には、ブレイクアウトの振り分け・設定を講師が行う為の時間を組み込みます。例えば、

・開始から初回のブレイクアウトまでに休憩を挟む
・個人ワークを入れる

等を行う事で、ブレイクアウトの振り分け・設定をする時間を確保します。

こちらのメリットは講師がホストを兼ねる為、少人数のスタッフで研修運営が可能です。

一方、デメリットは講師がホストの役割を担う場合、ヘルプの要請中、ホストがメインセッション不在の状況となる為、途中参加・再参加があった場合に再度振り分けをする事ができません。
また、ブレイクアウトの前段階での休憩や個人ワークを実施する必要がある為、プログラム設計時の制約が増えます。

代替案2.講師以外(サポートスタッフ:事務局)がホストの権限を持ち、ブレイクアウトの操作を担当する。

冒頭のオリエンテーションや講義中など、講師が話している最中にサポートスタッフがブレイクアウトの振り分け・設定を行います。
ホスト権限を移動させると振り分け設定が消えてしまう為、開始・終了も終日サポートスタッフが行います。

メリットは専任でホストの役割を担うスタッフがいる為、途中で接続が途切れてしまった、遅れて研修に参加した等の受講者がいた際に随時対応が可能です。
また、プログラム設計時の制約が少なく、対面研修と比較しても遜色無いプログラム設計が可能です。

一方デメリットは、サポートスタッフの人員確保が課題となります。
また、ブレイクアウトの開始・終了やヘルプ等、講師とサポートスタッフが対面でコミュニケーションを取る必要がある為、登壇環境についても検討する必要があります。

弊社では上記の何れも対応可能ですが、受講者の方への対応品質を向上させるため、代替案2を推奨しています。

冒頭で記載しました様に、ここ最近では本当に多くのお客様からオンライン研修のご依頼を頂いております。オンライン研修では、内容もさることながら、受講環境の設定も重要なテーマとなっています。

弊社では、

「オンライン研修を導入したいが、何をどうすれば良いのか・・」

とお悩みの方からのお問い合わせをお待ちしております。

オンラインの環境設定・当日の研修運営等、各社様のご状況に合わせたご提案をさせて頂きますので、お気軽にご相談ください!

今回も、最後までお読み頂き有難うございました。