かかりつけ薬剤師育成プログラム~3年目研修~

前回ブログでは「かかりつけ薬剤師育成プログラム」の「2年目研修」についてご紹介しました。

今回はシリーズ第三回として3年目研修をご紹介します。

本研修のテーマは、

「後輩指導の際のコミュニケーション」
(論理・心理を踏まえた世代間のコミュニケーション)です。

ダーウィンの進化論に「変化するものが生き残る」という一文がありますが、
本テーマはこの教訓の重要性を感じさせてくれます。
というのも、後輩指導には

「過去自分が受けた指導方法を踏襲する(やられた様にやる)」

傾向があるからです。
あくまでも一般論ですが30代後半以上の方は「職人的」な指導環境の下、働かれてきたと言われています。
具体的には

「私のやり方を見て盗んで!」(自ら学べ的な指導)
「うちの薬局では薬歴を書く時は〇〇の様にするの!」(紋切型の指導)

といった感じです。
部下・後輩指導経験のある方なら上記の様な指導を今時の新人・若手に行うと、3日後には姿を見せなくなる事は想像に難くないでしょう。

では、どの様にすればよいのか?

2016年5月のブログ「薬局長・管理薬剤師の部下指導」で触れましたが、
大きく分けて2つの課題を解決する必要があります。

1つ目は、今時の新人・若手薬剤師の性質に関心を持ち理解する事(共感的理解)です。

下記に「かつて(指導側が新人・若手だった頃)」と「今時」の新人・若手薬剤師の性質を整理しました。

3年目研修ではこのマトリックスを入り口にして、今時の新人・若手薬剤師の実態を参加者と共に意見交換し、
彼らに対する共感的理解を深めていきます。
一方、このセッションを進めていくと、受講者は

「では、どうすればよいのか?」

という気持ちになってきます。人を見て法を説く為の方法論に関心を持ち始めます。
2つ目は、今時の新人・若手の性質に適うコミュニケーション方法を学ぶ事です。

具体的には、

1.目的・背景の明確化
2.共感的理解
3.アサーション

の3つです。ここでは上記1について掘り下げていきます。
(上記2の詳細についてはブログ「2年目研修」を、3についてはブログ「アサーション」をご覧下さい。)

参加者の一部から、

「うちの薬剤師には1言っても半分しか伝わらないの・・。今以上に細かく伝えないと伝わらないのかしら・・。」

というお悩みをお聞きする事があります。

「今時」の新人・若手薬剤師は様々な情報へ容易にアクセス出来る環境で生きてきました。
初めて取り組む事に対しても、検索すれば詳しい説明(マニュアル?)が出てきます。
指導側はWEBサイトに負けない説明能力が求められている、とも言えます。

ここで言う「WEBサイトに負けない説明」を行う為にはどんな事に留意すれば良いでしょうか?
ずばり、

「目的・背景の明確化」

です。
とかく、指導の際にはWhat(何を)・How(どの様にする)の説明に労力を割くものですが、
この延長線上には、「伝わらないもどかしさ」や「指示待ち人材(How型人材)の量産」という悲しい結果が待ち受けています。
(因みにHow型人材とは薬局長から言われ方事(What)をどの様にやるか?(How)という事に関心を持つ人材です。自らWhat(何をやる)を考える事は得意ではありません。)

一方、What・Howの説明に加え、Why(目的・背景)の説明を加えると、新人・若手薬剤師の指導内容に対する理解は想像以上に深まります。
これは何故でしょうか?

それは人には「目的的」な一面があるからです。

上司・先輩が指導する業務の目的・背景に対する理解が進めば、自発的に目的達成の為に動けるものです。
忙しいこと理由に業務内容やその方法のみの説明に終始するのはとても危険です。
また、マニュアルを読み慣れた人にとっては紋切型の説明は受容しづらく、Why・What・Howと指導内容を分けて(=論理的に)説明する事で、
初めて納得感を引き出す事が期待できるわけです。

本研修では「体感実習」を通じて上記内容を体験的に理解して頂きます。
(実習の詳細な進め方に関心がある方はお気軽にご連絡下さい!)

最後に、何故3年目研修として後輩指導の際のコミュニケーションを実施するのか?に触れておきたいと思います。
その理由は2つあります。

1つ目は、3年目には後輩指導をする場面があり、
1年目・2年目で学習した事(論理・心理コミュニケーション)を対後輩指導を想定して学ぶには良いタイミングであるからです。

2つ目は、実務実習生の指導に備える事です。
某薬学大の教授から実務実習生への指導に関する期待について、お聴きした事を下記の様にまとめてみました。

こうして見てみると、「今時」の新人若手薬剤師への指導内容とリンクする所が多い事が分かります。
3年目研修が新人・若手薬剤師だけでなく実務実習生の指導の在り方に、一筋の光を見出す機会になれば嬉しいです。

それでは最終回4年目研修のブログもご期待ください!