コミュニケーションテクニックの活用:第四回「ピラミッドストラクチャー」

 

薬局ビジョン(厚労省発)が出されてから2年が経過しました。
「対物業務から対人業務へ」のメッセージの下、多くの薬剤師の方がアドヒアランス向上を目的に患者との対話に臨まれている事と思います。

 

一方、以前に『薬剤師に求められるコミュニケーション(言語編)』で記載しましたが、
「アドヒアランスの向上よりも迅速な投薬」を望む患者も存在します。
例えばビジネス街にある店舗の患者は、仕事の合間に来局し「できるだけ早く薬を受け取りたい!」と感じている方が多い様です。
その様な方に対して冗長で的を射ない説明を行えば結果は知れています。
また疑義照会も医師の診察の合間を縫って行う事が多いですから、上記と同様で簡潔明瞭なコミュニケーションが求められるでしょう。

そこで今回は簡潔明瞭なコミュニケーション術として「ピラミッドストラクチャー」をご紹介します。
下図をご覧になられた事があるでしょうか。

structure

これが「ピラミッドストラクチャー」です。
相手に伝えたい情報を整理する際の道具として有名であり、これを使いこなせると実務場面でのコミュニケーションの質が格段に向上します。

ピラミッドストラクチャーによる情報整理は、下記3つのSTEPで進めていきます。

 

STEP① 皆さんが伝えたい情報をテーマ毎に分類する
(テーマ例:有効性・安全性・利便性)
STEP② テーマ毎に分類した情報を要約する。
(有効性に関して一言で言うと・・に続く文章を考える)
STEP③ ②で要約した情報(2~3つ)を更に要約する
(結論として申し上げたい事は・・に続く文章を考える)

 

STEP①は図の一番下の階層(=3階層目)、STEP②は真ん中の階層(=2階層目)、
STEP③は一番上の階層(1階層目)、それぞれの枠に分類・要約した情報を記入するイメージです。

自分の伝えたい事を簡潔明瞭に話す事ができる人の頭の中では、この様な情報整理がなされています。

次に3つのSTEPによる情報整理がなされた後の実践例を見てみましょう。
例えば疑義照会の場面では、

・○○さんの処方内容について確認したい(⇒1階層目の情報を活用)

・理由は3つ有り、1つ目は・・・(⇒2階層目の情報を活用)

・理由①の根拠として・・・(⇒3階層目の情報を活用)

という様に、医師に確認したい事を端的に伝える事が出来ます。
もちろん服薬指導の場面においても上記の様な情報整理がなされていれば、患者のニーズに合わせた伝え方が選択できます。
迅速な投薬を希望する患者へは1、2階層目の情報を伝えます。
この場合やや抽象的な内容になりますので、患者から質問が出れば3階層目の情報をお伝えすれば良いでしょう。
また処方されるのが初めてのお薬があり詳しい説明を期待している患者へは最初から3階層目の情報を説明をする事で不安軽減につながります。

この様に相手に伝えたい事をピラミッドストラクチャーを活用して整理しておけば、「人を見て法を説く」事が実践しやすいわけです。
最後に「ピラミッドストラクチャー」による情報整理術を身に付ける為の秘訣は、

「繰り返し」

です。その為には日常業務の中で実践する場面を決めておく事でしょう。
例えば・・

・服薬指導の直前の10秒間

・疑義照会の直前の30秒間

・報告・連絡・相談を行う前の1分間

・薬歴を記載する直前の1分間

という様なイメージです。

是非お試しください。本ブログの内容が皆様の対人業務(特に簡潔明瞭なコミュニケーションが求められる場面)の品質向上に寄与できれば嬉しいです。

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